最近はまっているモノがあります。それは「経済」について知ることです。

少年「経済」に興味を持つ

私は理系である工学部を卒業しましたが、中学の頃から経済や歴史といった科目にも興味を持っていました。

私の今年のテーマは御代代わりの年ですので「天皇陛下と日本人」、10000円札の肖像画になる予定の渋沢栄一の「論語と算盤」ですが、少し寄り道して「経済」について書いてみました。

というもの、私が所属する読書会で中野剛志さんの「奇跡の経済教室」の書籍が取り上げられることとなり、今巷で湧いているMMT(現代貨幣理論)の話に大変な関心を持っているからです。

詳しい解説は書籍を読んで頂くにして、私が気になった経済学の用語は「合成の誤謬(ごびゅう)」というワードでした。

「合成の誤謬」

「合成の誤謬」とは、個々の正しい行動でも、それが積み重なった結果、全体として好ましくない事態がもたらされてしまう現象のことです。別の言い方をすると、個々の企業や個人といったミクロな視点では正しい行動も、社会全体で見たマクロな視点では反対の誤った結果をもたらしてしまいます。

例えば、景気が悪いときに個人や企業は支出を切り詰めなければ生き残っていくことが出来ません。しかし、個人や企業全員が支出を減らし続けてしまったら、社会全体は一体どうなってしまうでしょうか?

景気がますます悪くなり、個人や企業は更に支出を切り詰めなければいけなくなるでしょう。この悪循環の無限ループこそが日本の平成時代に長く苦しんだ状態であったデフレーションです。個人や企業の合理的な行動が、経済における需要を縮小し、人々を更に苦しめる結果になってしまっているのです。

「合成の誤謬」が起こる背景

なぜそのような状況が起こるかというと、経営と経済をごちゃまぜにしてしまっていることに問題があります。

経営というのは企業での利益を最大化するために行う合理的な手法のことを指しますが、経済というのは主体はその土地にする国民であり、国民全体の利益を考えて行動を行います。

つまり、経営はミクロな視点であり、経済はマクロな視点で見ていることなります。経営の視点を持ったまま、全体を見てしまうと特定の業界や企業が優遇されてしまい、社会全体としての利益が最大化しなくなってしまいます。これが今日の社会全体で起こっている実態ではないでしょうか。

このように、言葉をきちん離して考えなければ、問題は見えてきません。経営と経済をごっちゃまぜにしてしまっていては、解ける問題が知恵の輪のように更に複雑に絡み合ってしまって難解となって永久に解けなくなってしまいます。

コーチングにおける「合成の誤謬」

「合成の誤謬」とコーチングがどのような関係があるのかと思われるかも知れませんが、関係は大ありなのです。

コーチングにおいてクライアントのなりたい姿やありたい姿を実現するためにリソースを引き出していきますが、なりたい姿やありたい姿が先でいうところの経営に該当するのか経済に該当するのかによって、取るべき行動が変わってしまう可能性があります。

例えば、企業さんであれば、自らの利益を上げたいとか利益を最大化したいという内容が多いです。このこと自体は問題ない話ですが、自分の利益を最大化するために同業者の利益を奪ってしまってはいないかという視点です。この世の中、競争で成り立っているので、正当な競争で利益を得たものであればよいのですが、同業者の悪口をネットに書き込んで評判を下げる等モラルを逸脱した方法はあまり賛同することはできません。

こうした自分の利益を最大化するために他社を蹴落とすように奪ってしまうものであれば、短期的な視点で見ると儲かるかもしれませんが、長期的な視点で見ると他社から同様のことをされて利益を奪われる行為になってしまうことも考えられます。

では、どうすればよいかというと、自分の利益を最大化しつつも、相手の利益も同時に考えることです。

私は製造業メーカーのコンサルタントをやっていましたが、ある部署の生産性が極端に高くても、別の部署の生産性が低かった場合、会社全体の生産性は低いほうに合わせなければならなくなるといったボトルネックを経験したことがあります。

これはいくら部分的に最適化したとしても効果は出ないという事例であり、効果を出すためには全体的に最適化しなければいけないのです。

コーチングにおいてもまず満たすべきものは自分です。その次に周りの人を満たしていきます。自分だけ常に満たされていると、他人から羨望の眼差しで見られ、嫉妬されてしまうことがあります。なので、自分のことが十分に満たされた後は、溢れてしまったものを周りの人にお裾分けしていくことにより、自分にかかわる人全員が満たされていくようなことを考えていかなければ、長期的に自分が満たされることはありません。

このように私はコーチングという手法を使用して、個々の正しい行動が結果的に全体が好ましい方向に導くこと、「合成の誤謬」を解消していくことを目指していきたいと思います。

【参考図書】中野剛志著、「目からウロコが落ちる奇跡の経済教室」、KKベストセラーズ(2019)

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