あなたの身近で使える3分間コーチング⑤
コーチング5大スキルは「承認」「傾聴」「質問」「フィードバック」「リクエスト」ですが、今回は「フィードバック」のコツについて書いていきたいと思います。

「フードバック」の功罪

「フードバック」と言われると、簡単なような感じに思いますが、実は奥が深い項目です。それは、大抵の場合の「フードバック」というのは、相手に対する助言だけでなく、批判になりがちだということです。
「あそこをもっとこうした方が良かったんじゃない?」「あそこはこうしなければいけないな」「そこがダメなんだ」
このような「フィードバック」を貰った相手はどんな気持ちになるでしょうか?言われたことを素直に受け入れて実行に移すでしょうか。相手のことを思いやるのであれば、最初からいきなりこのような助言や批判は行うべきではありません。それは、相手が「フィードバック」を受け入れる準備が十分にできていないために、それを言ったところで相手に受け入れてもらえなかったり、逆に反発してしまうことも少なからずあります。

「フィードバック」には、まず承認が必要!!

相手とのコミュニケーションを良好に保つためには、必ず「私はあなたのためを思っていますよ」ということを先にアピールしなければなりません。これがいわゆる「承認」です。「承認」するために必要なことは、相手をまずは受け入れることから始めます。
「相手を受け入れる」というのは、難しいことではありません。簡単に言えば、相手の良かったところを素直に言ってあげることです。
「ここが良かったよ」とか、「ここはものすごく私共感したよ」とかです。このように言われると相手はきっと悪い気はしないでしょう。
その後に、もっと良くするための助言を行います。「ここをもっと、改善すると劇的に良くなると思うよ。」と言った感じです。
この際に気を付けなければいけないことは、主語を「私」にすることです。「私はこう思う」ということを伝えることで、相手に与える印象が異なります。逆に、「あなた」を主語にして言ってみて、「あなたはこうした方が良いよ」とすると、上から目線的なところがあり、相手に少なからず圧力をかけてしまうことになります。そうならないためにも、「私は」を主語にして相手に変容を促してみることが肝心です。そうすることで、相手は考えてもみなかったアイデアや発想をあなたから受け取ることにより、今まで以上に前向きに取り組んでくれるかもしれません。
このように、「私」を主語にしたメッセージの伝え方を「Iメッセージ」と呼び、「あなた」を主語にしたメッセージの伝え方を「YOUメッセージ」と言われます。
最後に、あなたが伝えたいことを伝えた後は、もう一度相手を認めるようなさりげない言葉を掛けることができれば「フィードバック」は完璧です。また、相手の改善した後を想像しながら伝えることができれば、より相手に響きますし、よしやってやろうという気になるものです。
相手を動かしたい時の「フィードバック」のコツ
1. 相手の良かったところを伝える。
2. あなたが相手に対し、改善した方が良いところを具体的に「Iメッセージ」で伝える。
3. 最後に改善によって相手の良いところが更に良くなることを伝える。

「フィードバック」は様々な場面でも使用可能!?

この「フィードバック」の方法は、仕事だけでなく、プライベイトにおいてもとても効果的です。
もし、自分が発言した言葉によって相手を怒らせたり、傷つけたりといったことに心当たりがある方は、意識的に「フィードバック」を取り入れるとコミュニケーション能力が格段に向上します。
意識的に使わないと、フィードバックではなく、自分の意見の押しつけになってしまいかねません。相手はあなたの意見を押し付けられたいのではないはずです。

「リクエスト」の効果的な使い方

プライベートでコーチングスキルを活かすのであれば、「リクエスト」も有効に使用できます。
「リクエスト」というのは、自分のやって欲しいことをお願いする行為のことです。

例えば、「自分の良いところを挙げてください」や「自分を褒めてください」というようにお願いすることです。逆に、「あまり批判意見ばかり述べないでください」という「リクエスト」も可能です。
「良いところ」や「褒めるところ」というのは、自分では気付いていないことが多いのはもちろんのこと、相手の「良いところ」や「褒めるところ」というのも、見ようとしないと見えないようになっています。
Q1:現在のあなたの奥様または旦那さんの「良いところ」を10個挙げてください。
Q2:現在のあなたの奥様または旦那さんの「悪いところ」を10個挙げてください。
上記の2つの質問にいくつ答えることができたでしょうか?
「良いところ」よりも「悪いところ」の方がたくさん出てきたあなた。それが正常です。通常は、「良いところ」よりも「悪いところ」の方がたくさん出るものなのです。
例えば、あなたはテレビのニュースを見たとしたら、1日後に記憶に残っているのは、悪いニュースばかりではないでしょうか。良いニュースというのは聞き流されてしまう傾向にあります。テレビの報道が悪いニュースに偏りすぎてしまっているということもありますが、基本的に人間は知らず知らずのうちに悪いニュースに影響を受けてしまっています。
例えば、視力検査でCの形をしたランドルト環を思い浮かべてください。
どの部分に目線が行きがちでしょうか?
大半の人がCの部分の欠けたところに目線が行くのではないでしょうか。それ以外の部分というのは全く目線が行かなくなってしまいます。
こうして部分的に捉えるのではなく、統一的に全体の構造に重点を置いて捉えることを心理学用語で「ゲシュタルト」と呼びます。
ある部分にだけ目が行ってしまっては、その人の本質を正確に捉えることはできないのです。
これを打破するためには、「ポジティブ」なことを考える習慣をつける必要があります。そのための訓練として、人の「良いところ」を意識的に探してみてはいかがでしょうか。手始めに、奥さんの良いところ、旦那さんの良いところ、友人の良いところ等を見つけてみると良いでしょう。
そして、それができるようになれば、身近な人に「褒めることをリクエスト」してみてはいかがでしょうか。「リクエスト」してみると、最初は照れ臭く感じるかもしれませんが、ゲーム感覚でやっていくうちに慣れてきて、意外な方向に好転するかもしれません。

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