言ったことが相手に伝わらないのは自分のせいだと思っていませんか?

プロコーチのこばふみです。今日のテーマは「思考の制限」です。

『こばふみ』の始まりの言葉
言ったことが相手に伝わらないのは自分のせいだと思っていませんか?

 

 

 

 

 

人は自分の持っている情報から判断する

あなたは自分が言ったことが人に正しく伝わらず、間違って解釈されてしまった経験はありませんか?

これは、あなたが必ずしも悪いわけではありません。

例えば、携帯販売の販売員からお客様に説明する場合を考えてみます。あなたがお客様という立場であった時、販売員からの説明は伝わりにくいといった経験があるかと思います。逆に、お客様から販売員に対して言っている内容は、十分に伝わっているといった経験はないでしょうか。

これは、人は物事を「省略」や「歪曲」、「一般化」して解釈しているために発生しています。携帯販売の知識に関して、お客様は販売員よりたくさん持っていないことが多いです。このため、お客様が知らない情報があれば、お客様が既に持っている知識や情報と結び付けて解釈しようとします。この時に、お客様の頭の中では、自分の知らない或いはわからない情報は「省略」してしまう傾向にあります。また、販売員とお客様とで持っている情報が異なった場合、お客様の中でその話を自分が都合が良いようにねじ曲げて解釈します(「歪曲」)。少ない情報から全体もそうであるかのうように思い込んでしまいます(「一般化」)

例えば、携帯販売の販売員から「携帯電話のOSにはAndroidとi OSがあって、それぞれ機種が異なります。あなたがもしご自身でカスタマイズしたければAndroidの携帯を、そうでなければi Phoneをオススメしています。」という説明をされた場合、難しい説明は分からないので省略して「i Phoneがオススメ」という部分だけ切り取って解釈してしまうこと、これが「省略」です。

「Androidは難しそうだから、やっぱi Phoneかな」と、販売員はどちらが良いとは言っていませんが、自分が持っている情報からi Phoneが良いと思い込んでしまっていることが「歪曲」です。

「日本人はみんなi Phoneを持っているからやっぱりi Phoneが良いよね」と、一般的な事象からi Phoneが良いと思い込んでいること、これが「一般化」です。

つまり、あなたは自分が言ったことが人に正しく伝わらないのは、自分と相手とで持っている情報や認識、思い込み、先入観が異なるから発生するのです。販売員からお客様に言ったことがうまく伝わらないのは、そうした認識等の違いにより発生します。一方、お客様から販売員に伝わるのは、もう既に販売員の中にそうした情報や認識といったもののデータが経験として蓄積されていることで、お客様がこういうことを言いたいとか間違った思い込みが分かるため伝わりやすいのです。

うまく伝えるためのコツは、情報や認識の差を埋めるような説明をしたり、思い込みや先入観を正しい情報でもって教えていく必要があります。

日常の会話でも同じことが起こっている

こうした「省略」や「歪曲」、「一般化」は、日常の会話でも起こっています。

例えば、Aさんが「LINEを送っても、Bさんからメッセージが返ってきたことがない。私のことなんて嫌いなんだわ」と言っているとします。これはBさんが忙しくてたまたまLINEを返すのが遅くなってしまったのですが、Aさんが自分の言いたいことを主張するために「歪曲」されてしまっています。

また、出身地を聞いたときに大阪や関西というと、「関西人やったら、なんか面白いことやって」と言われたりまします。これは「関西人の人は、吉本新喜劇もあるし、みんな面白いことを言う人である」といった「一般化」された思い込みが背景としてあります。

コーチングの場面では、こうした思い込みを取り除くためには、言っていることに例外がないかを考えるような質問をします。前者の場合であれば、「BさんにLINEを送って、メッセージが返ってきたことはありましたか?」と聴いてみます。メッセージが返ってきたことがあれば、単なる自分の思い込みであったことに気付きます。

後者の場合であれば、「これまでに関西人で面白いことを言わない人はいませんでしたか?」と聴いてみます。言わない人がいたのであれば、確かに関西人だからと言って面白いことを言う人ばかりでないと気付きます。

このような、「省略」や「歪曲」、「一般化」といった自らの思考制限してしまっている思い込みを壊すスキルを「メタモデル」と呼んでいます。人は物事を「省略」や「歪曲」、「一般化」して解釈してしまう傾向があり、視野が狭くなってしまっています。その視野を広げるためには、例外はないかを聞いてみることによって、新しい考え方がないかを一緒に考えていきます。

『こばふみ』の終わりの質問文
あなたが「~すべき」「~である」と思っていることに対して、何か「例外」はありませんか?

 

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