『働く幸せ』とは? ~コーチングを始めるきっかけ~
あなたは『働く幸せ』とは何かを考えたことはあるでしょうか?

あなたは『働く幸せ』とは何かを考えたことはあるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

1.『働く幸せ』とは?

あなたは何のために働いているのでしょうか?

生活のため、自分のため、家族のため、夢のため、出世のため、お金を稼ぐため、自己実現のため・・・

人それぞれ働く理由があると思います。しかし、その働くことが幸せに結びついているでしょうか。

あなたは日本理化学工業という会社をご存じでしょうか?この日本理化学工業は、日本一大切にしたい会社大賞 第6回で審査委員会特別賞に選出されています。日本一大切にしたい会社大賞とは、希望退職者やリストラをしていない、下請けいじめをしていない、障害者雇用を法律を守っている等、一定の条件をクリアした会社を表彰されています。坂本光司さんが「日本でいちばん大切にしたい会社」というタイトルで出版されているのでご存じの方も多いのではないかと思います。

この日本理化学工業は、学生時代に黒板で使用したチョークの生産で有名な会社です。障害者雇用に熱心な会社で60年間に渡り雇用実績があります。1970年代には、ホワイトボードが普及し始めてきており、チョークの需要は徐々に減っていきました。チョークの需要が減ってきたことを受けて、大山社長の息子さんは今まで以上に生産性を上げるために障害者の雇用を辞めるよう提言したと言いますが、社長はこれを拒否しました。それは、過去に知り合いの住職から人間の究極の幸せについて言われたことがあったからです。

導師は

『人に愛されること、
人に褒められること、
人の役にたつこと、
人から必要とされること、
の4つです。
働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるのです』 と。

「その愛も一生懸命働くことによって得られるものだと思う」

社長 大山 泰弘(現会長) 平成10年5月

人間の究極の幸せは、①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人から必要とされることの4つと言われています。この4つが全て満たされたとき、人は究極の幸せを感じます。逆に、これらのうち1つでも欠けてしまうと人はそれを満たすために行動します。

一般的に、施設や家庭で出来ることは「①人に愛されること」だけであり、残りの②~④は働くことでしか得られません。「②人に褒められたり」、「③人の役に立ったり」、「④人から必要とされる」ことの幸せを得るために人は働いています。障害者においては通常の人に比べると、②~④は得難いものですが、それを与えられる会社でなければならないという大山社長の強い思いが込められています。

健常者においても考えてみて下さい。何のために働いているかを考えたときに、人から褒められたり、人の役に立って感謝されたり、人から必要とされたときに、自分のモチベーションが上がり、仕事の効率や生産性が向上するのではないでしょうか。しかしながら、これと全く逆のことをしている会社がなんと多いことでしょうか。

ちなみに、日本理化学工業ではこの住職と会長(泰弘さん)のその言葉を方針に掲げて、同社にある「働く幸せの像」にも刻まれています。

2.コーチングを始めるきっかけ ~大学編~

私のことに置き換えて、「コーチング」を始めるきっかけについて書いて行きたいと思います。

元々、私は大学時代に化学を専攻していました。大学で化学を学んだこともあり、そのまま化学メーカーに就職するだろうという安易な選択肢しか考えていませんでした。実際、理系の学科においては、就職活動は最小限で、できる限り実験を進めて欲しいというのが先生の願いでした。そういう背景もあったせいか、企業研究は十分ではなく、会社選びをしてしまいました。しかしながら、十分でなかったとはいえ、会社選びは「人を大切にする会社」を第一に考えていました。

というもの、私は修士1年の時が滅茶苦茶忙しく、精神的に辛い時期を過ごしていました。一般的に研究室というと教授の権力が強く、かなりの束縛を受けているところが多かったのではないでしょうか。私自身も、企業との共同研究もあってその報告書を2週間に1回提出したり、学部の授業の採点をしたり、修士の授業には出ないといけないし、研究室のゼミはあるし、後輩の面倒を見ないといけないし、といった感じで、もの凄く忙しいかった記憶があります。そして、企業との報告会では、報告書は出しても怒られることはあっても褒められることはありませんでした。時間は朝8時に研究室に行って、夜帰るのは午前0時を回った午前2時でした。これが会社だったら、「ブラック企業」というレッテルを貼られてもおかしくないレベルですね。こうした状況は、私だけでなく同じ学科の学生も同様でしたので、精神的にきつくてうつ状態になったり、中には辞めていく人もいました。そういった事情から、「人を大切に扱ってくれる会社を選びたい」という気持ちが強く湧いてきました。

修士2年は修士1年に比べ、就活が終わった学生は研究に集中できる環境であったので、そこまで精神的に追い込まれることはありませんでした。むしろ、自分から好んで実験や資料作り、論文作りを行いました。自分の裁量で進めることができたせいもあり、朝10時から夜中の2時, 3時まではざらに研究室にいましたし、土日も研究に明け暮れていました。今思えば、ほとんど無休でやっていた気がします。

修士1年の時と同じくらいの時間、研究室に残っていましたが、自分のモチベーションは天と地くらい離れていました。この違いはどこから来ているかというと、自分が嫌なことを避けるためにやっているのではなく、自分が自ら望んでいることをやっているということでした。行動する原理は痛みを避けるために行動するか、快楽を得るために行動するかの2通りですが、それを修士2年間で両方体験することができた今となっては貴重な経験でした。

3.コーチングを始めるきっかけ ~社会人編~

社会人で大手化学メーカーにエンジニアとして就職をするわけですが、そこでも色々ありました。上司からは色々課題を与えられたり、部下の育成を任せられたり、怒られることはあっても褒められることはなかったりと、本当にこの仕事は誰のために役に立っているのかということを考えさせられました。気がつけば修士1年の時と同じような時を過ごしている自分がいました。そう考えてしまうとなんで自分だけがこんなに辛い目に遭うのだろうかと考えてしまいました。

しかし、修士1年の時の経験もあるので、その答えを探しに書店へ足を運びました。そして自分に必要な書籍を見つけては貪るように読みました。どの1冊が自分の人生を変えた本かは覚えてませんが、20代向けに様々な書籍を出しているある著者の本が自分の中でもの凄く私の中でヒットしました。それからというもの、読書の虜となり、書店へ通うようになりました。読書から気付かされたことは、自分が今悩んでいることはもう既に誰かが経験したことばかりであり、その答えが本に書いてあることでした。そうして、この書籍から得た情報や自分が経験したことを誰かに伝えたいという思いが芽生え始めてきましたが、実際にそれを実現するためにどうすれば良いかといったことが次の課題でした。

そうした状況下で、悶々として次の自分の進路を探していて、どういう方向性に進めば良いか全くわからない状況が続いていました。占い好きの友人がいましたので「溺れる者は藁をも掴む」感じで占いにすがりました。その時のセッションで出てきたキーワードが「コーチング」だったのです。それは、読書と将来を結び付けるものがコーチングであると閃いた瞬間でした。それからというもの、「コーチング」を書籍で読んで勉強したり、偶然にコーチングを始めている人に出会う機会が得られました。そして、もっと本格的に「コーチング」を学びたいと思って、上京して今に至ります。

社会人時代に疑問に思ったことが1つあります。それは2015年にセミナーに通った時のことです。その時のセミナー講師が「セミナーの場は非日常だから、日常に帰ることを忘れないで」と言われました。この話を聞いたとき、違和感を覚えました。それはなぜこのセミナーの非日常がこのまま続かないのかという疑問です。続かないのであれば、非日常を日常にしてしまえばいいのではと思ったことを覚えています。

セミナーを受けたときは意識が高い人に出会えてもの凄く楽しくテンションが上がるのですが、現実に戻れば周りの人は何も変わっていないのですから、いつの間にかそちらに流されてしまっていつもと同じ状態に戻ってしまうのです。私が相手にこういうセミナー行ってきて良かったよというですが、周りの人はあまり興味がなく、「ふーん」で終わってしまいます。このままではまずいと思った自分は、少し周りの人と距離を置いてみたりしました。周りの人から見れば、あの人は変わってしまったと思いますが、自分が成長していれば今までの場所は居心地が悪くて当然です。そう感じた時には、思い切って環境を変えてみることも選択肢の中に入れておくことをオススメします。自分がどの環境に身を置くのかということが、自分の将来を形作ると言っても過言ではありません。

4.コーチングを始めるきっかけ ~まとめ~

こうして読書×コーチングに気付いたことが、きっかけとなりました。私は現在の読書は人生の予習であり、そこから学んだことを実践するしてその答え合わせをしていると思っています。よく書籍に20代のときに30代の向けの本を読み、30代のときには40代の向けの本を読む、40代のときには50代の向けの本を読むように書いてありますが、まさしくこれこそがこれからの人生を楽にしてくれる方法だと実感することが出来ています。

そして、読書やセミナー等でインプットすることは重要ですが、インプットばかりしていては自分がこんなに凄いんだと頭でっかちになってしまったり、オーバーフローしてしまってもう自分には必要ないと言ってそれ以上学ぶことをやめてしまったりします。そうならないためには、適切なアウトプットを行うことです。インプットとアウトプットの比率は3:7が丁度良いと言われています。私の事例で言うと、読書やセミナー、DVD、音声プログラムと言った物がインプットで、アウトプットする機会がコーチングと言えます。

20代の頃は学んだことが一つの点の状態でしかなく、それをどのように活かしていくのかもわかりませんでした。30代になってからは自分が実際に体験したり、セミナーに通うようになってから少しずつ今までの点が線になっていく感覚が得られました。そして、これからはその線を更に広げるべく、面、更には立体までに展開していきたいと思います。

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