「5+5はいくつですか?」では創造性は高まらない
Creativity concept with man holding a tablet computer

「5+5はいくつですか?」この問いの答えはひとつかしかありません。

でも、「何と何を足せば10になりますか?」この問いの答えは無限です。

マイナスでもいいし、小数だっていいのです。

どちらも単純な足し算の問題ですが、問いの立て方

つまり、フレームが違っています。

 

『未来を発明するためにいまできること』

ティナ・シーリグ著/CCC メディアハウス

1.リフレーミングで視点を変える

ティナ・シーリグはスタンフォード大学で教鞭を執っており、

創造性を高める1つの方法は『リフレーミングで視点を変えること』

と言っています。

 

問いを立てることというのは、フレーム(枠組み)であって、

答えはその枠内に収まるようになっています。

つまり、問いの立て方一つで全く異なる気付きが得られるのです。

 

「5+5はいくつですか?」では答えは10で回答はひとつのみになってしまいます。

しかしながら、「何と何を足せば10になりますか?」という質問では

答えは5+5でもいいし、4.1+5.9でもいいし、

-3+13でも良く、その回答は無限に創ることができます。

 

今までの学校の教育では答えを暗記させたり、

1つしかない答えないような問題を解いてきました。

これからの時代を生き抜くためには、

答えは自分で創るものという概念なしには語れないでしょう。

 

20世紀の勉強はどれだけたくさん知識を持って暗記したかという競争で

優劣の序列が付けられてきましたが、

21世紀の勉強は知識を暗記しているかどうかではなく、

その知識を使ってどのように考えるかといったことにシフトしています。

 

知識を知っていることに越したことはありませんが、

それが役に立つのはクイズ番組とかほぼ限られた空間だけになりつつあります。

スマホが普及している現在では、

ある程度のことはインターネットで検索すれば必要な情報は得られます。

これからAIが台頭してくれば、単なる知識では人間は勝てなくなることが予測されているので、

まだAIにできないような創造性で人間は勝負していくことが必要があります。

戦うべき土俵が変わっているのに、今までと同じやり方をしていては、

完全に負けは見えているも同然です。

 

そのためには、解が一つしかないような質問を立てるのではなく、

発想が広がるような質問をしていく必要があります。

フレームを作り変えるという意味でリ・フレーミングと言われており、

コーチングの中でも意味付けを変えるためにリフレーミングが使われます。

2.解がないからこそ、その解を見つけようと必死になる

数学の時間に『解なし』という答えを見て度肝を抜いたことはないですか?

「解なしが答えでいいの?」とい思うかもしれないですか、

解がないことが答えなのです。これも立派な回答です。

 

ノーベル賞を受賞した研究も最初は解があるかも分からなような状況で、

批判にも晒されながら自分の信念を貫き通しています。

 

化学者であるケクレ(1829-1896)はベンゼン環の構造を思い付いた人物ですが、

ロンドンに滞在中の乗合馬車での移動中にみた夢の話は有名です。

夢の中に蛇が出てきて、自分のシッポを加えて回転を始めたという夢を見て、

ベンゼン環の6角形である亀の甲羅型の構造を思い付きました。

 

この夢を見た時は、化学講師として遅くまで仕事をして、

最終の乗合馬車で戻る途中だったそうです。

普段から物事をじっくり考え抜いた極限の状態で

ふとリラックスした瞬間に啓示を受けることが多いと言われます。

 

特にお風呂に入っている時など、

水に触れている時に啓示を受けることが多いと言われています。

人間の体内の70%が水分であるが影響していると思われます。

 

1日の疲れを癒す意味でも、

お風呂に入りながらゆっくりとその日起こったことを

振り返って考えてみると思いもよらないような

解がふっと湧いてくるかもしれません。

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