先日、シンガポールのバリュー投資で有名なCayden Changさんのセミナーに参加してきました。

 

 

 

 

1.バリュー投資とは?

バリュー投資はウォーレン・バフェット(Warren Buffett)が始めたと思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。実際はベンジャミン・グラハム(Benjamin Graham)とデビット・ドット(David Dodd)が設立者です。しかし、ウォーレン・バフェットはベンジャミン・グラハムの生徒でもあり、バリュー投資において投資関連の情報誌や書籍で紹介されることが多いため、その代表格として認知されています。

 

このバリュー投資とは、株式の割安度を重視して投資する方法です。この割安とは、本来の会社の価値が十分に評価されていないため、低い評価を受けており、株価が安くなっている状態を指します。株価が安く、お手頃価格で手に入る状態です。例えば、土地が2000万円の評価額であるのに対し、実際の価格が1500万円で購入できたとしたら、500万円お得に買えたことになります。このように、企業の適正価格よりも割安な株価の時に狙って投資する手法です。

 

2.日本人は投資に向いていないのか?

セミナーに参加して驚いたのは株式投資をしていない人が参加者の7割もいらっしゃったということです。セミナーに参加した方の7割であるから、実際に株式投資をしていない日本人は7割よりももっと多いのではないかと思います。

 

逆に、宝くじを1回でも買ったことがあるという方は75%程度と言われており、4人に3人は購入経験があります。株と聞けば、「失敗すると何十万、何百万ものお金を損するので、危ないモノだ」という風に考えがちですが、投資=損をする=やらない方が良いという思考になってしまいます。また、「バブル崩壊」を経験しており、株式投資に対して慎重になるのも納得です。

 

前者においては、「食わず嫌い」であり、食べたこともないのに嫌いというのは、食べたことがある人にとっては非常に勿体ない話です。投資をやらない理由としては、投資についてよく知らないからではないでしょうか。人はよく知らない物に対しては、お金を支払わない傾向があります。私の過去を振り返ってみても、学校の授業で投資ついて学んだということは記憶の中にはありません。投資についての正しい知識や考え方がないのでは、投資をしようという気にはならないではないでしょうか。

 

しかしながら、実際の企業活動を考えてみると、投資は常に行われています。設備や建物、土地を購入するといったことも立派な投資です。但し、土地以外の設備や建物については減価償却でその価値が徐々に減っていくことになるため、常に投資し続けることが企業価値を計る上で重要となります。

 

経営分析においても、投資を長期的に行っている企業というのは評価される傾向にあります。最近の企業においては、先行き不透明感から積極的な投資をせずに、内部留保を増やしているといった傾向が強いですが、本来の資本主義としては「お金を借りて投資する」ことが原則ですので、必要な投資をして収益を上げている会社は健全であると言えます。

 

個人においても同様で、一般的に現金を持っておくと、その現金の価値は目減りしていきます。ここで、一般的にといっているのは、インフレ環境下にあることを指しています。世界的に見ると、経済は右肩上がりで上昇していきますので、一般的にはインフレのケースを想定して物事を考えます。実際の経済学においても、インフレ時しか想定されておらず、デフレになったときの対処方法がきちんと体系化されていません。

 

ちなみに、日銀の目標であるインフレ率「2%」の物価上昇が10年続いた場合、100万円の実質的な価値はいくらになるかというと、82万円です。つまり、インフレ率2%の状況下で100万円の現金を持っているだけでは、10年後には82万円の価値しかなくなってしまうのです。しかしながら、昨今の日本においては、デフレが長く続いてきたため、100万円の現金の価値は下がらず、10年後も100万円であることが多かったです。そのため、円は安全資産とも言われ、円が買われる傾向にあります。

 

逆にバブルの時期であれば、投資をしないと現金の価値が目減りしていきますので、積極的に投資をしていかないとその価値は目減りしていきます。そのため、積極的な投資が必要でした。但し、バブル時期はその投資が過熱しすぎて、過剰な投資をした結果、バルブとなって弾けてしまい、その後失われた30年と言われる「平成」に突入して行きました。

 

3.投資には2種類ある

投資としてよく誤解されるのは、デイトレーダーのように毎日画面張り付いて株価をチェックして株の売買を行っている人のことを指すと思っている方が多いことです。それは、投資とトレードを一緒に考えてしまっていることに問題があります。

 

株式投資とは、2つに分けられと投資と投機(トレード)に分かれます。そして、トレードをやっている人のことをトレーダーと呼びます。投資をしている人を投資家と呼びます。トレーダーをしている人も投資家といった方がカッコイイからといって、投資家と呼んでいるケースが多く見受けられます。そのため、投資とトレードの違いが分かりづらくなっています。ここでは、投資と投機では間違えやすいので、投機をトレードと記載します。

 

トレードとは、「市場に繰り返し現れている集団心理のパターンを読み解き、その機会(株価)に資本を投じること」です。一方、投資は「企業価値に資本を投じること」であり、やっていることは同じでも見ているところは両者で異なります。トレードは株価チャートや移動平均線、ロウソク足等を駆使して、集団の心理を分析し、株を売買するものですが、投資は損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書から財務分析を行って投資すべき価値がある企業かを判断します。ちなみに、トレードに使用する集団心理分析はテクニカル分析、投資に使用する分析はファンダメンタルズ分析と呼ばれています。

 

「投資はゼロサムゲームだ」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ゼロサムゲームとはプレーヤーの合計投資額を分配するゲームであり、そこには必ず勝つ人と負ける人が存在します。そして、勝った人と負けた人の取り分を合計するとゼロになるゲームのことです。プレーヤー全員の利益の合計が、投資額に対してプラスになるときは「プラスサムゲーム」、マイナスになるときは「マイナスサムゲーム」、プラスマイナスゼロになるときは「ゼロサムゲーム」と言います。サムとは英語で合計を表すSUMからきています。

 

こでいうゼロサムゲームはトレードを指します。トレードにおいては、株価が高いときに売り抜けた人は勝った人で、株価が暴落して売り時を逃した人は負けた人という風に勝ち負けがはっきり分かれてしまいます。従って、「投資はゼロサムゲームだ」ではなく、正しくは「トレードはゼロサムゲーム」です。

では、投資はどうでしょうか。投資に関しては一般的に長期投資はプラスサムゲームと言われています。それは、短期的に見ると世界経済は変動しているかもしれませんが、長期的に見ると右肩上がりで成長を続けており、今後も同様に成長し続けるということが予測されるためです。

 

 

 

デイトレという言葉が流行したためか、株式投資はトレードを指し、勝つ人と負ける人がいるというイメージがありますが、長期投資をしていれば世界的に見れば勝つ人が大半です。しかも、配当金といった不労所得や株主優待といった特典も付いてきます。勝つ人と負ける人がはっきりするというのは、誰かが幸せになり誰かが不幸になることを指します。ここでの幸せというのはお金が入ってくる状態を指します。特定の人が幸せになる方法を選ぶか、全員が幸せになる方法を選ぶかはあなた次第です。

※長くなったので続きは次回にします。

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