前回の続きで残る2つの事例を記載します。
3.病気を数値で測る
病気に関しても数値での見える化が重要です。
検査結果を定期的に確認することで、
異常かどうか判断することが出来ます。
例えば、一年前の血液検査の結果と比べることで、
自分の体の状態が良くなっているのか、
悪くなっているのかが分かります。
その為には過去の結果と比較する必要があります。
過去の結果と比較しなくても分かるようにする方法は、
基準を設けて、その基準値と比較することによって、
現状が問題ないのかを判断してしています。
異常かどうか判断するためには、
① 過去の記録と比較する
② 基準値を設けて比較する
ことが有効となります。
①の過去の記録と比較するのは自分との比較になりますが、
②の基準値との比較は、誰でも当てはまるような一般的な結果との比較ですので、
相対的になります。
何かの問題判断や異常判断を行うためには、
何からの数値と比較することによって、
誰が見ても問題や異常の判断が可能となります。
私は現在、喘息を患っており、
毎日ピークフローを測定しています。
ピークフローとは、息を思いっきり吸い込んで、
一気に吐き出した時の最大の速さのことで、
喘息の症状が悪化して発作が起きると、
この吐き出す力が弱くなるため、
ピークフローが弱くなります。
このピークフローを毎日測ることにより、
喘息の程度を客観的に測定しています。
つまり、年齢によって、最大となるピークフロー値が分かっていますので、
その値に対して80%の値を下回ると要注意、
60%を下回ると早急な対処が必要であると判断します。
数値管理での重要なことは下記のとおりです。
・毎日数値を測定し続けること。
・ それをグラフにプロットしていき自分の状態を把握してコントロールすること。
残念ながら現在の医学では、大人になってからの喘息の完治は難しいようで、
いかに病気を付き合っていくかが重要となります。
その為には、このピークフローの値を自らが把握してコントロールして、
なるだけ発作が発生しないようにしなければいけません。
度々発作の発生は、器官の形状を変えてしまい、
寿命を縮めることになってしまうからです。
ピークフローの値が下がってきたと思ったら、
必要な薬を使う等して、重症度化させないようコントロールします。
このように数値を測定することで得られる恩恵は計り知れないのです。
4.コーチングにおける数値化
コーチングにおいても、クライアントの目指したいゴールに対して、
どのくらいの距離があるのかを数値で測っていきます。
目指したいゴールを100として、
現状がどの位置にいるのかを把握します。
例えば、現状の位置が20であれば、
80のGAPが明確に分かりますので、
それを埋めるためには何ができるかを考えていきます。
数値化で進めるメリットとしては、
そのGAPを埋めるために行うための行動を考えたときに、
どのくらいゴールに近づいているかを
コーチとクライアントでの共通認識することができます。
日常の会話で「たくさん」とか「すぐに」といった曖昧な言葉を使用するとします。
しかしながら、「たくさん」や「すぐに」というのは、
人によって解釈が異なります。
例えば、上司が部下に対し、「この課題すぐにやって」と依頼したとします。
この「すぐに」というのは、人によって解釈が異なり、
上司は3時間以内にやって欲しいと思っていても、
部下は3日以内に終わらせれば良いだろうと考えているかもしれません。
この場合、「すぐに」という言葉を数値で表さなかった上司の責任です。
このように自分と他者と共通認識を持つためには、
数値を用いて測ることが必要なのです。
あなたは数字が苦手だからと言って、
曖昧な言葉を使用していませんか?