会社は経営者の器以上に大きくならない。だから、企業を発展させていくためには、経営者が心を高める努力を怠らず、しっかりとした哲学を学び、自らの器を大きくしなければならない。
日本航空を再生した稲盛和夫氏の書籍が中国で売れているらしい。稲盛氏が従業員をやる気にさせる鍵として挙げているのは、従業員と経営者と同じ考えと熱意を持って、一生懸命に働いてくれるということを言っている。
所詮、一人一人が頑張ったところで、一人で出せる成果には限界がある。その限界を超えるためにはチーム全員の力を集結しなければ到底成しえない。2018年平昌五輪でスピードスケート女子団体追い抜き(チームパシュート)が金メダルを獲得したことはまだ記憶に新しい。あの競技も一人一人の個の力では、海外勢に負けている日本であったが、その一人一人の力を終結させて一体になれたから金メダルが獲得できた。
もともと日本人はムラ社会で集団として生きてきたり、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」と言われるように、集団やチームワークというのを大切にしてきた民族である。そもそも世界の大地震の2割が日本で起こる中、助け合いながら生きていく知恵を持っているのが日本人だと思う。地震が起きた時も海外では略奪は平気で起きるが、日本ではあまり聞かないのはそのためであろう。
会社において、数名の会社であっても、数十名の会社であっても、数百名の会社であっても、社長一人で全てを成し遂げるのは不可能に近い。だから、他の人に手伝って貰わなければならない。その従業員の手本となるべき人は経営者である社長以外にいない。だからこそ、社長は自らが常に学び続ける姿勢が重要である。しかし、学ぶことによって自分が偉いと踏ん反り返ったりするのではなく、社員をパートナーとして暖かく迎える心の余裕も併せ持つ必要がある。社員は家族であることが、企業が繁栄し続ける条件であると思う次第である。
自分自身もそういう会社になかなか出会うことが出来なかったからこそ、そういう会社を自ら作って行きたいし、作るお手伝いをしていきたい。それこそが、私が『コーチング』を仕事にするモチベーションかもしれない。