シンプレックス金子社長のお話がインパクトがありすぎたので
そのお話から感じたことや着想を得たことを前回に引き続き記載していきます。
【前回はこちら】https://wp.me/p9Y1XL-9x
1.イノベーションを起こすモノの考え方
0→1にするイノベーションを起こす上で重要になってくることは、
自分の目で見て考える行為が必要です。
なぜなら、今までそれをしてきた人、
つまり先人がいないため、自らが先頭を切って走るしか他なりません。
かつての日本もアメリカに追いつけ追い越せで、
欧米から様々なモノや技術を導入して来ました。
私が前職で勤めた化学プラント業界においても、
もう既に確立されている技術を欧米から導入して、
日本でものづくりを始めるとケースばかりでした。
逆に導入した技術に改良や改善を加えていくといった作業は
日本は秀でています。
トヨタ生産方式(TPS)がその代表例で、
現在では世界中にその名前は知れ渡っています。
真似をすることはビジネスにおいては王道の手段ですが、
ある程度企業が成長してNo.1を取れるようになってくると
他者を真似ることから他者に真似されるようになっていきます。
他者に真似をされるようになれば、
その業界では上位10%には入れるくらいの実力が付いたと
判断する材料にもなってきます。
2.イノベーションを起こすモノの考え方 ~日本と欧米の違い~
日本の製造業で仮にヒューマンエラーが発生した場合、
ヒューマンエラーに対する対策を取ろうとします。
ここでいうヒューマンエラーとは、人間のミスによって引き起こされるトラブルや災害のことです。
例えば、人がバルブの閉め忘れにより中の液体が漏れて静電気着火した場合、
人がバルブを閉め忘れたことにフォーカスされ、
どうしたら閉め忘れないかという対策を取りがちです。
しかしながら、欧米では技術が未熟であることから事故が発生したと捉え、
技術の向上に対して必要な投資を行います。
そして、どうしても取り除けないリスクに関してのみ人に頼るようにしています。
人がエラーしたから事故が起きたのではなく、
技術が未だ未だ未熟であるから事故が起きたと考えます。
日本であれば、最初から人に頼ってしまっているため、
技術向上というところが見落とされがちです。
違う視点で見ると、人に頼っているから、
複数の仕事をこなせるようになって職人気質が育つとも言えますが。
こうした違いにより、欧米の方が日本に比べ、
イノベーションが起こりやすいのではないでしょうか。
また、余談になりますが根本的な対策を考える上では、
4Mの視点で物事を考える必要があります。
4MとはMachine(機械), Material(材料), Method(方法), Man(人)の頭文字を取ったモノで、
これら4つの視点から対策を考えていくフレームワークになります。
ここで重要なことは、Man(人)に対する対策は最後に考えると言うことです。
Manを最初に持ってきてしまうと、
あの人が悪いとか、あの人のせいだだとか
ついつい人を批判する傾向に陥ってしまいます。
だから、それを避ける意味でもMan以外の対策を十分に講じてから、
最後にManに対する対策を考えていきます。
3.イノベーションを起こす会社の特徴
現在イノベーションを起こせる会社の頭文字を取って、
GAFA(Goggle, Apple, Facebook, Amazon)という文字が頻繁に見られるようになりましたが、
いずれも米国のIT企業です。
Appleは誰もが知っている話ですので、今回はAmazonについて考えていきます。
Amazonでネットショッピングされる方も多いと思いますが、
ネットで注文したモノが翌日に届くと行ったサービスはとても画期的です。
こうしたサービスの裏側には緻密な物流網を展開していることや
巨大な無人倉庫の存在を忘れてはいけません。
こうしたサービスはその国独自の形に合うようにしていかなければなりません。
日本は国土が狭く、その7割は森林に囲まれている、
ミッシングリンクと言われる完全に繋がっていない高速道路、人手不足
といった様々な状況下で日本に合う形を模索していった結果が現在の翌日配送サービスなのです。
上記のような日々泥臭いことを継続的にやり続けることこそが、
イノベーションを起こす会社には必要です。
誰も考えつくようなことはもう既に誰かがやられていることであり、
仮にしたとしても資金力がある企業に直ぐに追い抜かれてしまうか、
買収されてしまってなくなってしまう可能性が高いです。
これからの時代、誰でも簡単にできるというお手軽さを謳っている企業は
生き残ることは難しいと考えられます。
誰もやらないような一見儲かりそうのないことにこそ、
イノベーションの芽が潜んでいるのです。