読書会に参加して、みんなで「星の王子さま」を読んできました。
1.「星の王子さま」の著者の生き方
「星の王子さま」はフランスの作家、サン=テグジュベリによって書かれ、
1943年4月6日に出版されています。
70年以上に渡って、250以上もの言語に訳されており、
人生における手本となる事柄が書かれた本です。
何名かの翻訳者によって、日本語に訳されていますが、
違う翻訳者の本を比較してみると、
同じストーリーであっても、ある人の翻訳では恋愛の話であったりと
微妙な翻訳の差異を楽しむことが出来ました。
読書会では、本を読む前に表紙や著者プロフィール、あらすじ等を基に
書籍を全く読んでいなくてもストーリーを自分なりに描いてみるのですが、
これがまた面白いのです。
サン=テグジュベリさんは操縦士であり、ご自身のパイロット経験を書籍にされており、
1935年の機体トラブルでサハラ砂漠に不時着し、
3日後に生還した経験がこの書籍に反映されています。
その後、第二次世界大戦で招集され、軍として出撃しますが、
地中海上で消息不明になっています。
自分の未来をこの「星の王子さま」を通じて予言していたので
ないのかと勝手に想像してしまいました。
2.「星の王子さま」から得られたもの
今回参加した読書会では本を最初から最後まで読んで、紹介したり、
予め読んできてディベートするといった形式ではなく、
自分自身がその本から得たいことを質問形式で複数立てて、
その本の中から答えを探すという手法を取っていきます。
その為、その本を事前に読んでいなくてもよく、
立てた質問に対して、回答が書いてありそうなところを目次から
探してざっと読んで答えを探す、
或いは、無意識にパっと本を開いたページから答えを探したり、
答えがなければ自分でキーワードから作ったりしていきます。
私が「星の王子さま」から得られたキーワードは「小さな惑星」でした。
フランスとアメリカを比べても距離は8,000km離れてはいるけれども、
航空機の開発や改良により、その心理的な距離はますます近いものになってきています。
一つの国のなかに留まっているのでは、小さな視点しか持てなくなるので、
1930年代から見ても世界全体で物事を考えていく時代を暗示しているのではないかと感じました。
現に当時はヨーロッパやアジアで戦争が絶えず発生していた時代でしたので、
そういう状況の中でいかにして生きるかを自分の体験に合わせているような気がします。
情報過多の波に押されて、大切なものが見えにくくなりつつある現在ではありますが、
そんな中で自分の大切なものを気付かせてくれるそんな本でした。